あらすじ
高校の図書室が取り壊しが決まり、そこの整理を担当することになった「僕」
実は、その図書室を学生時代に整理したのも「僕」だった。
教え子と本の整理をしながら、当時一緒に図書委員を務めた桜良と
過ごした日々の思い出話をすることに
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感想
「僕」は、人に興味がないということだが、おそらくそういうことはない。
もし本当に興味がないとすると、きっと落ちた本を拾ったりしない。興味はあるけど、付き合い方がわからないとか、そういう類のものではないかと推測される。
桜良に関しては、あの若さで余命宣告を受けながら笑顔で過ごしている。周りからも気を遣わずに、いつも通りに接して欲しいということで、親友にも教えないという徹底ぶり。
そのため、自分自身も悟られないように、普通に過ごさないといけないのだと思われる。死ぬことが怖くて、無理してがんばっているというのも本音だと思うが、自分自身が同じ立場で、その明るさを出せるかは疑問だ。
現実でそういう状況で普通に振る舞うことができていた人を知っているので、できないことはないのだろうが、それでも四六時中は無理だった。どこかでだれかに八つ当たりしたりしてたけど、ここまで悟りの境地には達することができない。平静さを保つ描写と平静を保てず取り乱すような描写があるともっと現実的で、もっと共感できたかもしれない。
大人になり「僕」は、あまり成長していない。なんだか余計に根暗な感じになっている。桜良の死が急すぎて、次のステップに動けなかったこともあるんだろう。
図書館で手紙を見つけて、ようやく何かが変わるというところまで行くのだけれど、もう割といい年になっている。少し時間がかかりすぎた感じがある。
図書館の本に挟んだ手紙に、長年誰も気付かないのはちょっと無理がある気がするが、それは映画なので。ただ、大事な手紙を宝探しにしてしまったことで、「僕」も桜良の「親友」も一歩踏み出すのが遅くなったと思う。
共病文庫を残して、宝探ししてねくらいの遺言も残しておけば、この2人は、桜良の死を乗り越えて、次のステップに早く進むことができたのではないでしょうか。何なら、気付かずに図書館がなくなる恐れもあったので、その辺はどう考えていたんでしょうね。
桜良の最後は、まさかの予想外。最初の新聞ネタがまさかの伏線とは思わなかった。「1日の価値は同じ」まさに名言だと思った。本当に何があるかわからない。
ただ、ただでさえ病気で生きることを全うできないことがわかっているのに、この展開は最後の望みすら摘んでしまうような展開で、監督か作者の仕業かわからないですが、けっこう残酷だなと感じた。
桜良と僕の話については、徐々に僕が惹かれていく様子も描かれていて、意外と強がっている桜良の一面も見れたりとしてよかったと思う。ただ死ぬのがわかっていながら、こういう風に僕に対して接していくのは割と残酷。
人の死を扱うとやはり話としては重くなるが、上記でも書いたことや、未成年がいきなり博多旅行に行ったりするものだから、やや現実離れした、書き手の妄想のような展開になってしまって、ちょっと重みがなくなってしまった部分もある。
それが、必要以上に重くならなかったというのもあるかもしれないけれど、もう少しリアリティがあっても良かったのかなと感じた。
まとめ
実はタイトルが微妙であまり見る気になれなかった作品。タイトルだけだと、なんとなくグロいイメージが先行してしまう。
現実だと、とっても重い話だと思うんですが、どこか重みが感じられない部分もあるのは、現実離れした部分があるからかと。
今、好きなことができる環境にある限りは、精一杯生きないといけないなとあらためて感じた作品です。
キャスト
■ 監督 月川 翔
■ 北村匠海・小栗旬(僕役)
どこかのレビューでみたらあえて「僕」と表現しているそうなので、それにあわせます。桜良にいいように使われている感じはします。なぜ、先生を辞めようとしていたのか。
■ 浜辺美波(山内桜良役)
自分が死ぬことがわかっているのにあそこまで明るくなれるのには驚き以外ない。
■ 大友花恋・北川景子(恭子役)
桜良の親友らしいが、僕に対してやっていることが、ほぼいじめに近い。いじめられているとやはり同じことをやってしまうのでしょうか。
■矢本悠馬・上地雄輔(宮田役)
ガムくれるいい子。作品中の伏線だったのか、もともと恭子のことが気になっていたので、「僕」のことも気にかけてくれたのかもしれない。
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