あらすじ
しぐれ谷でOLが殺された。全身を刺され最後には火をつけられるという残忍なものだった。
犯人は誰なのか、疑惑の目は1人の女性に集まる。殺された女性と同期の女性である城野美姫だ。
本当に城野が犯人なのか。テレビ局のディレクターの赤星は事件の足取りを追っていく。
感想
何よりも報道メディアとSNSなどネットメディアの怖さを感じさせられる作品。
今の世の中、本当にちょっとしたきっかけで、被害者になりえるという工程がわかりやすく描かれている。
テレビのディレクターの赤星は、交友関係を中心に調べを進めていく。それぞれがそれぞれに思うことを話していく中で、そのことを元に報道を行っていく。
赤星の誤算は、一番身内で信じられると考えていた情報源に裏切られたことだと思う。一番信じられると考えていた人に裏切られるというのは、世の中よるあることだ。
人の印象というのは、かんたんに変えられる。Aさんが持っているイメージとBさんが持っているイメージは全く違う。それは接する中でどのようなことがあったかによって印象は大きく変わってしまう。
そして、人は嘘をつく。全部が正しい情報として信じてしまうとその人の印象が決定づけられてしまう。
一度悪い印象を持ってしまうと、イメージが先行してあの人ならやりかねないとなってしまい、真実を見抜くことができなくなる。
個人的な話にはなるが、職場でも似たようなことがあった。1人の人間に対しての悪い話を周囲の人間に言いふらしていた。
そうすると、周囲の人間も深く関わったことがないにも関わらず、悪い印象を持つようになった。そしてちょっとした行動が200%増しぐらいで悪評となって広がっていった。
中には、実際に見たことではなくて、こんな話を聞いたというだけ。実際になかったことまで、どんどん悪評として広がっていく。
そんな実体験も少し思い出した作品。人間の黒い部分というか情報化社会の怖さを感じる。こうしたことが1人の人間を自殺まで
追い込んでしまうことがあるというのは現実でもあること。
現実社会との対比も考えて、いろいろ考えさせられる作品だった。
まとめ
人間の腹黒い部分。個人的に本当に嫌いな部分が表現された作品だと個人的には感じました。
人から聞いた話は客観的な視点で聞いて判断することが大切で、一方の話だけを鵜呑みにして、すべてを知ったという気になることだけは今後の人生でもないようにしたいと思いました。
キャスト
監督 中村義洋
井上真央(城野美姫役)
支えられる親友がいるというのはいいこと。最後はそこだけで救われた気がします。
綾野剛(赤星雄治役)
SNSに投稿したり、報道関係者としてのモラルは絶対的に欠けている。
現実にこういう人間がいたりしたら本当に恐ろしい。メディアは人を抹殺することができると思う。
菜々緒(三木典子役)
男女で印象が変わる人っているんでしょうね。個人的にあまりこういう人にあったことはない。実際に周りにいたら、ちょっとかわいそうな人って印象しか持たないな。
貫地谷しほり(谷村夕子役)
ごめんなさい。貫地谷しほりだとまったく気づきませんでした。
学校のいじめって陰湿に表現されますが、ここまでされてしまうことが現実でもありますかね。
今の大人を見ているとあるんだろうなとは思います。大人もやってるので子供もやるでしょう。
蓮佛美沙子(狩野里沙子役)
策士ですね。1周回ってそこか~となりました。
この人の話の内容がスタートするため、そこで植え付けられたイメージのまま物語を見ていくと、思考が迷走していきますね。
こういう人はなんとなくいるような感じがします。一番怖いなって思います。