あらすじ
香港からアメリカに帰国したベスは、謎のウイルスにより体調を崩し2日後に亡くなる。そしてその家族も感染。同時期にロンドン、東京でも感染者が。未知のウイルスに対応するため、様々な対策をとっていくのだが。
感想
こちらの映画の公開は2011年です。
この約10年後に本当に似たようなことが起ころうとは思いもしなかったですね。映画の世界が現実に起こる。9.11もそうでしたが、これほど怖いものはないなと思います。
この前に紹介しました「感染列島」も同じくウイルスを扱ったものでしたが、あちらが人間ドラマを描いたファンタジーものだとすると、より現実的になドキュメンタリー仕上げになっているのがこちらの作品だと思います。
コロナのこと知ってたんじゃないの?っていうくらい現状と似た状況を描いています。預言か?
人々の反応とか、医師の対応とか、人との接触を避けたりするところもそうですが、本当に今のコロナの状況と同じようなことを描いています。
マットデイモンが父親役をやっていますが、娘を感染から守るために、人との接触を避ける姿なんかは、このコロナ時の対応を同じだと思いました。
それだけなく、いろいろな対策とか映画の中で行われていることが本当に現実世界でも同じことが行われているなというものが盛りだくさん。
現場で対応する人間が感染したり、そのあたりのウイルスの怖さが表現されてたり、関係者ならではのえこひいきみたいな人間臭さも表現されていますが、本当に淡々としています。
日本映画だと変に感動的な方向にもっていくんですが、この作品では余計な描写なくそのあたりが描かれているので、より現実味を感じさせてくれる作品になっているのだと思います。
9年前、ネット社会も普及はしていますが、そういう世界である嘘やそういうものや陰謀論を信じるような人々。そういうものも9年前の映画の中で表現しているのはすごいなと思いました。
感染発生から2日目をスタートして、最終的に初日に戻るっていうこの構成も良かったな思いました。
まとめ
コロナ前に見ていたら、少し淡々としすぎてそれほど興味を持たない作品だったかもしれません。このコロナを現実に体験してみるとこの映画がどれだけよく調べて作られたのかがわかります。
そして、その怖さもわかるので、とにかくこの再現性に驚きました。
こういうコロナの状況になり世界が一変しました。のちのち、後世にどんな感じだったと言われたら、この映画を見たら当時の感じがおおむね伝わるよって言える作品だと思います。
この表現力は、調査力と想像力のたまものでしょう。それがあってこそこの作品が生み出されたのだと思います。
キャスト
監督 スティーブン・ソダーバーグ
マリオン・コティヤール(レオノーラ役)
ワクチンを早めに接種させてもらえるように、人質に取られる。現実ではこんなことがあっているとは思いたくないところ。
マット・デイモン(ミッチ役)
妻と子供をウイルスでなくしてしまう。同時に妻の浮気が発覚っていうこれも現実ではないといいなって思いたくなる役どころ。似たようなことはきっとあってるんだろうなと思います。
娘を感染から守るための行動は、コロナを体験していないければ異常と感じたかもしれませんが、今となっては、それが普通になりました。
ローレンス・フィッシュバーン(チーヴァ博士役)
機密情報を知人にだけ、そっと教えたりする人間らしさ。そして、それがばれてしまうのも、なんとも現実的。映画らしくないんだけど。どんな場面も現実的にしてしまう映画ですね。
部下思いですし、そういう完璧じゃないところも含めてめっちゃいい上司。
ジュード・ロウ(アラン役)
陰謀論とかきっと広める人はこういう人なんだろうなと思います。現実的にもこういう人が一定数いるんだろうなと感じますね。
ケイト・ウィンスレット(ミアーズ役)
感染対策に奔走する。医療関係者とか保健所のかたとかもそうですが、きっと過酷な現場で疲弊していると思います。現実にもこういう人たちがいて世の中を支えてくれていると思うと感謝しかないですね。